吃音(どもり)の克服法・治し方など
吃音の段階
一般的に吃音には、次の四つの段階がある。
第1段階 - 連発。本人にあまり吃音の自覚のない時期。
第2段階 - 連発・伸発。本人が吃音を気にし始める時期。次第に語頭の音を引き伸ばすようになる。
第3段階 - 難発。吃音を強く自覚するようになる時期。伸発の時間が長くなり、最初の語頭が出にくい難発になる。時に随伴運動が現われる。
第4段階 - 吃音のことが頭から離れず、どもりそうな言葉や場面をできるだけ避けたり、話すこと自体や人付き合いを避けたりする。
なお、『連発 → 伸発 → 難発』へと順番に移行していくものではなく、『連発 → 連発+伸発 → 連発+伸発+難発』と新たな要素が加わりながら移行して行くものとされる。
吃音に伴う症状
随伴運動 - 吃音による不自然な身体の動き(瞬き、体を叩く、手足を振る、足踏みする、目を擦るなど)。
吃音回避 - どもる言葉を避けようとする。
転換反応
波状現象(変動) - 流暢に話せていたと思うと、急に吃音が出る。
吃音予期不安 - どもったことで、またどもるのではないかと恐怖を感じる。
吃音不安 - どもったことで、相手にどう思われるか恐怖を感じる。
吸息反射 - 緊張し、吸息したままの状態になる。
呼吸の乱れ
早口
全身(口唇、舌、声帯、直腸筋、腹筋、横隔膜筋、胸筋、肛門など)や一部の筋肉の過緊張 - バルサルバ反射など。
吃音に意識が集中し、話しがまとまらない。
頭が真っ白になり、言葉が頭に浮かばない。
どもったことで自己嫌悪になる。
吃音を気にし、話すことや人付き合いを避けるようになる。
など。
原因
緊張するからどもるのではない。どもるから緊張するのであるが、戦後一時期まで、吃音は、精神的な緊張に起因すると一面的に理解されてきた歴史がある。ただし、緊張や不安や鬱に依って(ドパミン、セロトニンなどの伝達・分泌異常)で吃音が悪化することは分っている。
ある種の吃音の原因は「てんかん」や右脳が正常に機能しない聴覚機能不全、痙攣性発声障害(米国では吃音者の1/3が痙攣性発声障害が原因といわれている[5])などであることが分かってきており、日本以外の医療機関では治療(「てんかん」や「セロトニン療法」など)が行われている。
また、近年は吃音は条件反射付けられたものであるとする説も有力である。しかし、多くの吃音の原因や病態はよく分からないのが現状である[6]。
不安や緊張、ストレスなどの心理的影響、家庭環境、好ましくない言語環境などが挙げられるが、これらは、吃音になる「きっかけ」の一つである可能性はあるが、原因といえるかは定かではない。
父親や母親が厳格で言葉に関する躾が厳しいとその子供は吃音になり易いといわれている。また、いじめなども関係している。3:1で男子に多いとされる。女子に少ないのは、胸式呼吸に早く移行する為と考えられている[7]。
ただし、正確に言うなら「わかっている部分と分かっていない部分」があり、吃音者全体の約1/3に効果があるといわれている音声のフィードバック経路(情動経路を含む)が関連する感覚性吃音は、日本以外では既に検証済みであり、装置を使った治療が普及している